僕は2021年に京都大学・理学研究科の修士課程に出願し、無事合格することができました。
一般に大学院受験は内部生でも3ヶ月前には対策を始めると言われています。
僕は外部生としての受験でしたが、3ヶ月もしくはそれ以上前から入念な受験対策をしていたかと言うと決してそうではありませんでした。
実際、僕の行っていた受験対策は一般に外部生に対して必要と言われている勉強期間をかなり下回っていました。
そこでこの記事では、僕が実際に行った受験対策について紹介します。
現在大学院受験を控えている大学生は、一体何ヶ月前から受験勉強を始めればいいのか気になっていることだと思いますが、この記事の内容はその参考になると思います。
ちなみに、早稲田大学大学院を内部受験した際の体験について紹介している記事もあるのでよければ参考にしてください。
Table of Contents
結論
僕が京都大学大学院に合格した時は、
勉強時間が平均約4時間/日、勉強期間は約2ヶ月。
勉強方法は物理の問題集を一冊と、過去問一年分。
詳しくは以下で解説します。
大学院受験までの大まかな流れ
僕が大学院受験をするまでの大まかな流れをわかりやすくタイムラインにまとめました。
これを見れば、院入試までの流れがイメージしやすくなると思います。
気になる方はこちらから開いてご覧ください。
タイムラインを開く
この頃は、大学院受験というものの存在は知っていましたが、それ以上のことは何も知りませんでした。
大学院入試にはTOEICが使えることが多いと知り、まだどの大学を受けるか決めていなかった僕はとりあえずTOEICのテストを受けることにしました。
研究室配属もひと段落し、いつ頃から受験勉強を始めればいいのか、いつ頃に研究室訪問をすべきかなどについて調べました。
この時はまだ受験勉強は始めていませんでした。
私大の内部進学はほぼ落ちないと聞かされていたので、筆記試験直前の2週間前から過去問のみを使って勉強しました。
その結果筆記試験は25%ほどしか解けず、本当に落ちる寸前でした。
その時のことをまとめた記事もありますので参考にしてください。
ギリギリまで外部の大学院を受けることを迷った結果、京大院の研究室を受けてみようということに決めました。
その時はすでに出願締め切りの二週間前。
出願作業がひと段落してから筆記試験の勉強を開始しました。
コロナの感染拡大が一番ひどい時期でしたが、筆記試験は予定通り京大のキャンパスで行われました。
筆記試験に合格した人だけが口頭試問を受けられます。
コロナ禍だったため、zoomで行われました。
学力考査とは、筆記と口頭諮問を合わせた大学院入学試験のことです。
タイムラインを閉じる
以下では各イベントごとに分けて、より詳しく解説していきます。
GPA
まずぼくのGPAですが、4年の春学期を終えた現時点で2.68です。
学内では平均よりほんの少し上くらいでした。
決して成績優秀ではありませんでした。
英語対策
近年は多くの大学院で、英語の筆記試験の代わりにTOEICやTOEFLなどの英語外部試験が取り入れられ始めています。
京大の大学院も例外ではありません。
2021年はコロナで自由にTOEICが受けられない人のことを考慮して見送られましたが、僕が受けた年はすでにTOEICを従来の筆記試験の英語の代わりとして取り入れられることが決まっていました。
まだ受ける大学院を決める前の大学3年の夏休み、後々入試の際に使えるかもしれないということでTOEICの勉強を始め、夏休みの約1ヶ月間でTOEICの勉強を行いました。
その時のTOEICの勉強法などについてより詳しくまとめた記事もありますので参考にしてください。
その後すぐに受けた試験で満足のいく点数を取れたため、TOEICの勉強は早々に辞めてしまいました。
勉強時間は毎朝約1時間ほどでした。
しかしながら残念なことに京大院試ではTOEICの導入が見送られたため、改めて英語対策をする必要が出てきました。
そのため、筆記試験の1ヶ月ほど前から英語対策として英単語の復習を始めました。
英単語はトイレに入っている毎回5分ほどの時間を利用しました。
この時に使っていた英単語帳も念のため載せておきます。
大抵の場合そこまで難しい語彙力は問われないので、理系の英単語帳であればなんでもいいと思います。
筆記試験直前には出題形式に慣れる目的で過去問2・3年分の問題に目を通しました。
結局筆記試験の英語に関しては対策と言えるほどの勉強はほとんでしませんでしたし、できませんでした。
zoomによる研究室訪問
出願を決めてすぐに気になる研究室の先生にアポを取り、zoomで研究室について質問させていただきました。
これが結構緊張するのですが、無愛想な先生から優しい先生まで実にさまざまでした。
優しい先生の方がこちらからの質問に対して長く答えてくださる傾向がありました。
一方無愛想な先生はこちらからの質問に対して最小限の答えしか返してくださらず、少し気まずい空気を感じました。
基本的にこういったアポはこちらの都合で取っていますので、こちらから質問をする必要があり、事前に聞く内容をリストアップしておくことが望ましいでしょう。
以下にその一例を重要度の高い順に挙げておきますので参考にしてください。
- 研究室の雰囲気や研究スタイル
- 実験計画書や志望理由署に期待する内容
- 学生の研究テーマの決め方
- 外部生の合格状況
- 学生の学会への出席状況
- 試験のボーダーライン
- 現在の研究内容(先生によっては「私の論文を読んでください」とだけしか言われないことも)
またネットでは、研究室訪問などを行う際は研究室の論文を事前に読むことが推奨されていたりしますが、ほとんどの論文は高度に専門的かつ英語で書かれていますので、読んで理解することは必須ではないと思います。
実際、大学の先生とお話しする中で「私の論文は読みましたか?」と聞かれたことは一度もありません。
ホームページや論文の Abstract (要約) を読んでイメージを掴む程度で良いでしょう。
出願書類の準備
出願書類として提出が求められていたものは主に以下のような構成になっていました。
- 入学願書・履歴書・検定料納入証明など
- 成績証明書・卒業見込み証明書
- レポート
いずれも大学のホームページで詳しく確認できます。
1つ目の入学書類などは、志望する大学がホームページでフォーマットを公開していると思いますので、それをダウンロードして所定の欄に必要事項を記入し、証明写真を貼り付けます。
2つめの成績証明書や卒業見込み証明書は、大学4年の6月ごろに学内の窓口や自動証明書発行機などで手に入りますので、大学のホームページで調べてみてください。
3つ目のレポートはこの中で最も大変です。
レポートには以下のようにテーマと枚数の制限が設けられていました。
①これまでに勉強したことで、志望した専攻に関して特に関心をもった内容について A4 用紙片面3ページ以内
②志望した研究室を選んだ理由を A4 用紙片面2ページ以内
①に関しては、具体的にどういった内容が期待されているのか分かりづらかったため、zoomの研究室訪問の際に研究室の先生に聞いたところ「あなたがどういう人なのかわかるような内容を期待しています。専門知識をひけらかしたりする必要はありません。」とのことでしたので、学部レベルの理解度で思いっきり自由に書きました。
①と②のどちらも、ページ制限の8割程度しか書きませんでした。
ページ制限いっぱいに書く必要はないと思います。
ちなみに、僕が出願準備を始めたのは出願締め切りの約1週間前だったのでかなり焦りましたが、なんとか書き終えることができました。
これらの書類を所定のサイズの封筒に入れ簡易書留で発送します。
簡易書留はほとんどの場合翌日には届きますが、締め切りの2日前までには出した方が良いでしょう。
専門科目の筆記試験対策
当時ネットで調べたところ、
専門科目の筆記試験対策は内部生でも3ヶ月前から勉強を始めるのが一般的
と言われていました。
しかし、僕が筆記試験対策を始めたのは約2ヶ月前でした。
決して自信があったわけではなく、当時の成り行きでそうなってしまったのです。
また同様にネットでは、
外部生として大学院入試を受ける際は、研究室を訪問し、その際に研究室の先輩が代々受け継いでいる過去問の解答集を入手することが一般的
と言われていました。
こちらも僕の場合は、出願を決めたのが直前だったこと、コロナ禍だったこと、距離が遠かったこと、研究室の先生が訪問しなくていいとおしゃっていたことから直接の訪問は行いませんでしたので、解答集は入手できませんでした。
幸いにも、後に京大生の友達になんとか直近の1年分の解答を集めてもらうことはできました。
そういうわけで過去問は解答がないので解いても仕方ないと判断し、市販の問題集をしっかりやり込むことにしました。
ちなみに、僕の志望していた研究室は理学研究科に属していたため、専門科目は物理・物理数学でした。
その時使っていた問題集はこちらです。
この問題集ですが、色々調べてこれにしたわけではなく、単に東大院を受ける成績優秀な友達が買っているのを目にしたことがあったという理由で購入を決めました。
逆に言えば当時はそれくらい時間がなかったということでもあります。
しかしながら、問題集に書いてある知識のみで筆記試験を突破したといっても過言ではないため、優れた問題集であることは確かです。
結局、研究室の活動もあり、7月に勉強を始めて最初の1ヶ月間は2週に1週しか勉強ができませんでした。
結局そのころは平均約3時間/日ほど勉強していました。
8月に入ってからは研究室も夏休みとなり、平均約5時間/日ほど勉強していました。
よって、感覚値ではありますが、2ヶ月を通して平均約4時間/日ほど勉強していたことになります。
かなり控えめに感じるかもしれませんが、他の用事で勉強ができなかった日も計算に入れての4時間なので、正直かなり負担に感じていましたし、研究室のタスクも含め体感では1日中勉強しているようにも感じました。(笑)
口頭試問
口頭試問とは、研究室の先生からの質問に答える面接のようなものです。
服装は、証明写真の際は白のTシャツでしたが、口頭試問ではスーツにしました。
先生方もスーツやYシャツなど、フォーマルな格好でした。
実際の質問内容は以下のようなものでした。
- 現在の卒業研究の内容は?
- 志望理由は?
- レポートに書いてあるこの内容についてもっと聞かせてもらえますか?
- 学問的な趣味は?
緊張により全体を通して拙い日本語になってしまいました。
時間は20分程度と聞かされていましたが、案外あっさりとしていて、15分程度で終わってしまいました。
志望した研究室の先生にも「口頭諮問は長時間です。」と聞かされていたので、てっきり不合格だから先生方は自分に興味がないのかもしれないと思ってしまいました。
面接や口頭試問の時間が短かったから不合格ということではないようです。
また、やってみて分かったことですが、口頭試問では全員が確実に緊張して先生方もそれに慣れていらっしゃるようだったので、緊張することを過度に気にする必要はないと思います。
この時の面接につてさらに詳しくまとめた記事もあるので、よかったら参考にしてください。
まとめ
僕が京都大学大学院を外部受験して合格したときの勉強時間は平均約4時間/日、勉強期間は約2ヶ月でした。
よく、外部生は最低でも3ヶ月前から勉強しなければいけないと言いますが、それはウソかもしれません。
もちろん3ヶ月以上前から準備することに越したことはないですが、準備が遅れてしまったとしてもチャレンジする価値はあります!
この記事で紹介した勉強時間や勉強方法を参考にしてご自身の勉強計画作りに役立ててください。