大学院入試では多くの場合、筆記試験だけでなく面接も行われます。
(大学によっては、面接ではなく口頭試問といったりもします。)
筆記試験と面接のどちらにも言えることですが、ネット上にあまり情報がありません。
そこでこの記事では、実際の大学院入試で外部生に対してどのような面接が行われているのか、再現を交えて解説します。
また、どのような対策をすれば良いかも紹介します。
外部受験の面接はこんな感じ
まずは外部受験の場合です。
(外部受験の対策全般についてまとめた記事もありますので、筆記試験対策などについて詳しく知りたい方は、そちらも参考にしてください。)
僕の年はコロナ禍だったため、面接は全てオンラインで行われましたが、基本的な内容は対面の時と同じだと思います。
また、今後複数の大学でオンライン形式が維持されることも十分あり得ますので、ここで紹介する内容は要チェックです。
〜では、zoomの面接室に入ったところから再現します。〜
zoomの部屋には志望した研究室の先生も合わせて3人の先生がいらっしゃいました。
司会進行は、第二志望の研究室の先生が担当でした。
まず、あなたの受験番号と氏名をどうぞ。
〇〇番、△△です。
次に第一志望の研究室の先生が質問を始めました。
では、まず私の方から質問します。
現在の研究内容の大まかな説明と志望理由について話してください。
典型的な質問ですね。
現在は半導体の研究をしており・・・(緊張で、ここからかなりボロボロ)
緊張からか、全くうまく答えられませんでした。
「絶対に色々と突っ込まれる(汗)」と思いましたが、なぜか卒業研究の内容についても志望理由についても一切突っ込まれませんでした。
幸運でした。
もしかすると、ほとんどの学生がこんな調子で、先生方も慣れているのかもしれません。
質問はまだ続きました。
次に、提出していただいたレポートの内容について質問させてください。
この学問にに興味を持ったきっかけについて書かれていますが、それについてもう少し詳しく聞かせていただけますか?
(レポートに書いている内容とほぼ同じ内容の返答)
ここもしっかりとした返答はできませんでしたが、なぜかそれ以上突っ込まれることはありませんでした。
私からの質問は以上です。
B先生から何か質問はありますか?
第一志望の先生が早々に質問を終えたところで、別の先生も質問を開始します。
はい。
学問に関連した趣味はありますが?
学問的な趣味ですか・・・
第一志望の先生より第二志望の研究室の先生の方が厳しい質問です。
返答に詰まる僕をみて、先生が少し別の質問を投げかけてきます。
では、学部の勉強から発展して、何か自分で勉強してきたことはありますか?
・・・長期休暇に〇〇に関する本は好んで読んでいました。
専門的なところまで理解できているわけではありませんが。
ちなみにそれは誰が書いた本ですか?
〇〇さんです。
なるほど、あの本ですね。
分かりました、私からは以上です。
他に質問のある方はいらっしゃいますか?
絶対知らないだろうという本についてもご存知で、驚きました。
最後に別の若い先生がマイクをオンにして話し始めました。
では私から。
先ほど理論系に興味があるとお話しされていましたが、実験などにも興味はありますか?
はい。
物理では理論が正しいかを検証することが必須ですので、もちろん実験にも興味があります。
分かりました。
ありがとうございます。
僕個人に関する質問はここで終わり、第二志望の研究室のB先生が改まった口調で何かを読みがら話し始めます。
これからする質問はあなたの合否には一切関係ありません。
また、答えたくなければ無理に応える必要はありません。
それを踏まえた上で、もし可能であれば他大学院の受験状況、またそれらの志望順位について教えていただけますか?
特に聞かれて困ることはなかったので、ここは正直に答えました。
現在、京都大学の大学院の他に、現在在籍している早稲田大学を受験しており、そちらは既に合格しています。
また、志望順位ですが、京都大学の大学院が第一志望です。
志望順位に関しては、もし第一志望で無くても社交辞令で『第一志望です。』と応えるのが無難かもしれません。
会社の面接ではないので、合否に関係ないと言われている以上、正直に答えたことが原因で落ちることはないと思いますが。
分かりました。
面接は以上になります。
退室いしていただいて構いません。
ありがとうございました。
失礼します。
〜終わり〜
全体的にあっさりとしていて、事務的な印象を受ける面接でした。
面接にかかった時間に関しても、「20分の予定」と聞かされていたのに加えて第一志望の研究室の先生からも『面接は長時間です。』と聞かされていたのですが、意外にも15分ほどで終わってしまいました。
質問もまともに答えられていなかったので、正直ダメだと思っていました。
しかし、結果は合格でした。
従って、面接での印象から合否を予想するのは難しいかもしれません。
外部受験の面接対策はこれでよし
外部受験の面接対策として有効な手段を重要度の高い順に並べましたので、参考にしてください。
- 可能であれば、直接研究室を訪問して、顔見知りになっておく
- 一般的に想定される質問に対しては答えを準備しておく
- 聞かれて答えられないようなことは、できるだけ研究計画書などに記載しない
- 緊張するのは当たり前なので、その点に関しては諦める
- 研究室の論文のチェック(多分理解できないので優先度は低い)
以下は、一般的な外部受験の面接において想定される質問を、確率の高い順に並べました。
- 志望動機は何ですか?
- 現在行っている卒業研究はどんな内容ですか?
- 筆記試験の手応えは?
- 研究計画書のこの部分はどういうことですか?
- 他大学院の受験状況と、その志望順位は?
- もし合格したらコレコレの準備が必要ですが対応可能ですか?
- 学問に関連した趣味はありますか?
まとめ
- 外部生は内部生よりも多くの質問をされる傾向にある
- 聞かれる質問はそこまで難しくはない
- 大体みんな失敗するし、そんなもん
- 先生も学部生に対してそこまでハイレベルな受け答えは期待していない模様