【留年もあり得ます】卒業研究や卒論についていろいろ解説

bachelor thesis

卒業研究をまだ経験したことがない人は、卒論についてほとんど何も知らないのではないでしょうか。

例えば、適当にやりすぎると卒論がリジェクトされて留年することがあるって知ってましたか?

この記事では僕の経験をもとに、そんな卒論の基本から注意事項までを実例に基づき解説します。

卒業研究の大まかな流れ

まずは卒論の基本的な流れを確認しておきましょう。

僕が在籍していた早稲田大学を例にしています。

細かい部分で大学ごとに少しずつ違いはあるかもしれませんが、参考にはなると思います。

大学4年の春
研究室に配属される

多くの大学では、4年に上がると同時に研究室での活動が始まります。

研究内容や研究室の雰囲気は研究室ごとに千差万別なので、研究室選びは結構大事です。

多くの人は後からそのことに気づきます・・・

Laboratory研究室配属っていつ?対策はどうすればいい?【早大生が解説】
大学4年・前期
講義と並行しながら研究内容の勉強をする

前期はまだ卒業のための単位を取っている人が多い印象ですが、中には3年までに必要単位を満たして研究に専念する人もいます。

研究室から指定された教科書などを使い、同じ件空室の同級生同士で協力しながら勉強したりします。

自分の興味のない研究内容だと、結構辛くなり始めます。

また、課せられる勉強量や勉強スタイルも研究室ごとに実に様々です。

8・9月
夏休み

夏休みに長さは研究室によって変わってきます。

大学が定めた期間は講義は行われませんが、研究室活動は行うという方針の先生もいます。

僕の在籍していた実験系の研究室では、与えられる夏休みはたったの2週間でした。

一応大学の定めた期間内であれば、旅行のための休みなどを追加で取ることは許可されていましたがね。

11月ごろ
中間発表

卒業研究は1年かけて行うわけですが、後期に一度中間発表としてそれまでの研究の進捗状況を報告させられます。

放置系研究室では、この中間発表の直前まで何も聞かされないなんてことも普通にあるので注意してくださいね。

ほとんどの場合、それほど高度な研究成果は求められません。

なんなら、「これからこういうことをやろうと思ってます」ぐらいの内容でも良かったりします。

年末年始
冬休み

夏休み同様、大学が決めた期間とは別で研究室の冬休みが定められていることがあります。

大体1週間〜2週間ほどでしょう。

この時までに卒論の目処が経っていないと、年末年始を潰すことになるので気をつけましょう。

理想は年内に研究成果をまとめ、あとは執筆するだけという状態を作っておきましょう。

1月中旬〜下旬
第一稿提出

早稲田大学では卒論の第一稿ができたら学部などに一度目の提出を行います。

ここでまず研究室の先生などが卒論の第一稿をチェックしてもらうわけです。

もちろんその前段階のちょっとしたチェックなどはしてもらえましたが、正式な提出としてはこれが初めてということになります。

早稲田大学ではこの第一稿の提出段階でソフトによる重複率チェックにかけられます。

詳しくは後述します。

2月上旬
卒論発表会

卒論は発表会で発表を行い、そこで指摘された内容を反映させた卒論を最終版として提出するという体になっていました。

しかし、もし内容に間違いがあったとしてもそれを最終版に反映させるのは時間的な困難なので、実質形式的な発表会ということになります。

2月上旬
最終版提出

いよいよ最終版を提出します。

ここで卒論が受理されれば無事卒業ということになります。

卒論のテーマは配属される研究室で決まる

卒業研究のテーマは配属される研究室で決まる、といっても過言ではありません。

配属先の研究室によって大体のテーマが決まり、その後先生や先輩の助言なども踏まえて明確なテーマが決められます。

全然興味のないテーマの研究室に配属される人は結構多いです。

配属の1年くらい前から対策し始めると結構楽勝だったりしますが、まぁそうもいきませんよね。

Laboratory研究室配属っていつ?対策はどうすればいい?【早大生が解説】

大した研究はできない

やってみれば分かると思いますが、1年勉強しただけでは研究の最前線をキャッチアップすることはほぼ不可能です。

教科書の内容+論文の内容をほんの少し理解するところまでで1年が終わってしまいます。

そんな状態で論文を書かされるわけですから、内容もかなり拙いものとなります。

レポートに毛が生えた程度のものというイメージが一番しっくりくるかなと思います。

肝心の研究内容ですが、先輩の研究や過去の研究を参考にするため、内容が似通ってしまうこともしばしばです。

しかし、扱っている内容は研究室ごとにかなり尖った専門的なものなので、外部の人から見ればそれなりに高度な研究をしているように見えるというわけです。

僕も他の研究室の卒業研究発表を見たことがありますが、何を言っているかさっぱり分からず、「なんかスゴそう」と思ってしまいました。

重複率チェックがある

これは僕が在籍していた早稲田大学での話になりますが、提出された卒業論文は専用のソフトにより重複率チェックが行われます。

重複率チェックとは、一般の論文や過去の学位論文と内容が被っていないかのチェックです。

当時の先生曰く30%以下が推奨されます。

逆に、30%程度であれば内容が被っていても問題視されないということになります。

同じ研究室で研究してきた過去の先輩の卒論とある程度内容が似通ってしまうことはしょうがない、と考えられているわけですね。

ちなみに僕の重複率は27%でした。

ほとんどが過去の学位論文との重複になります。

僕は実験系の研究室に在籍していたので、実験原理の説明などが重複としてカウントされていました。

リジェクトされることがある!(実例紹介)

卒論は提出すれば必ず受理されるわけではありません。

基準に満たないと判断されればリジェクトされ、卒業研究自体を落単することになります。

実際、僕の研究室の同級生Aくんは卒論がリジェクトされて留年しました。

Aくんの卒論は重複率が60%を超えていたのです。

当時、100人ほどの生徒がいる物理学科で重複率が60%を超えたのは、彼1人でした。

僕の研究室にはもう1人重複率が高い同級生Bくんもいました。

Bくんの重複率は50%超えで、彼もまた応用物理学科で重複率No.1でした。

幸運なことに彼の場合は卒論が受理されました。

このように「重複率・学科 No.1」を2人も輩出してしまった原因としては、研究室自体の活気のなさと配属された学生のやる気の無さにあると考えています。

ここでは詳しく解説しませんが、人気のない研究室は活気がなく選考落ちの学生が集まりがちなのです。

Laboratory【理系】ハズレ研究室はこんなところです【卒業研究】

リジェクト=留年 です

当たり前ですが、卒論がリジェクトされるともう1年卒業研究をやり直す必要があるため、留年します。

内定をもらっていても、進学先が決まっていても関係ありません。

卒業研究の研究内容に興味がなければなおさら辛いことでしょう。

期限は絶対

こちらもまた当たり前ですが、期限はしっかりと守りましょう。

先生曰く、毎年数人は「パソコンのデータが消えた」などという理由で期限を超過してしまって大ごとになるそうです。

データのバックアップも定期的に取っておきましょう。

また、どこに提出するのか・紙なのかPDFなのかもよく確認しておきましょう。

大学ではびっくりするくらい生徒のことをほったらかしにする先生も珍しくないので、自己管理はしっかりと行いましょう。

まとめ

  • 卒論は実質レポートみたいなもの
  • そこまでハイレベルなことはできない
  • どんな内容でも受理されるわけではない
  • 重複率などに十分注意する