親知らずは、10代後半ごろ、ほとんどの人に生えてきます。
僕も例外ではありませんでした。
しかも、少し厄介な生え方をしていました。
今回はそんな親知らずを抜いた時の体験談を、抜歯を決めた理由とともにシェアします。
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僕の親知らずの種類
僕の親知らずの種類は「埋伏智歯」と言って、下顎に横向きで、ほとんどが埋まった状態で生えていました。
ごく一部が歯肉から顔を出し、目視できる状態でした。
これが実際のレントゲン写真です。
両サイドから見事な生えっぷり。
当時の症状
当時、親知らずが生えていることによる明らかな症状などはなかったですが、二つだけ気になることがありました。
- ストレスがかかった時に奥歯周辺の歯茎がムズムズするような感覚があった
- 下顎の歯並びだけが悪かった
①に関しては、思春期ごろに始まった症状なので、親知らずが生え始める時期と重なっています。
②に関しては、上顎の歯並びは極めて整っており、なおかつ下顎の歯並びのズレが横から押す力が加わったようなずれ方をしていたことから、横向きに生える親知らずの関係が十分考えられます。
抜くことにした理由
親知らずがあることがわかってから、色々と考えた結果、親知らずを抜くことに決めました。
以下がその理由です。
- 通っていた歯医者さんが抜くことを勧めていたから
- ネットで一通り調べたところ、「抜くべきでない」という歯医者の意見が見当たらなかったから
- 上記の症状が改善する可能性があったから
- 親知らずが生涯虫歯にならない可能性はゼロなのは明らかだから
- 若いうちは抜歯に伴うリスクが低いから
④と⑤は密接な関わりがあるため、少し補足します。
まず、人生100年時代と言われますが、現実的に生涯一つも虫歯にならない可能性はゼロです。
また、全ての歯の中でどの歯が一番虫歯になりやすいかを考えた時、それはもっともブラッシングが届きにくい親知らずです。
よって、親知らずは生涯でまず間違いなく虫歯になり、いずれ抜歯することになると考えるのが自然です。
今、骨が柔らかく、免疫力が高いうちに抜くか、年老いてより抜歯のリスクが高くなってから抜くか、どちらが良いかは明らかだというわけです。
(ただし、以上の議論は全く問題のない綺麗な親知らずには必ずしも当てはまらないと思います。)
抜歯方法
横向きに生えている親知らずの抜歯は、そうでない親知らずより抜歯に伴うリスクが高いです。
したがって、僕の埋伏智歯は普段通っている歯医者では行うことができず、病院で局所麻酔をして、片方ずつ、二回に分けて行うことになりました。
埋まっている歯の抜歯なので、一部骨を削る必要がありましたが、削った骨は傷の回復とともに元通りになります。
抜歯までの流れ
実際の抜歯までの流れをざっと紹介します。
通っていた歯医者では、埋まっている親知らずの抜歯には対応できないと言われ、病院で見てもらうことになりました。
そういう場合、歯医者さんは患者の症状などをまとめた紹介状を知り合いのお医者さんに出してくれて、引き継ぎがスムーズに行われるようになっています。
病院ではレントゲンを撮ったり、歯の状況を確認したりしました。
紹介状のおかげか、診察自体はかなりあっさりしたものでした。
手術の予約は大学の春休みに合わせ、約半年先にとりました。
抜歯当日は、確か数時間前から食事が禁止でした。
抜歯手術は局部麻酔で行われ、注射器で二段階に分けて麻酔が注入されました。
その時一瞬、顎のの半分が痺れましたが、すぐに収まり、麻酔の効きも早かったです。
あとは基本的に手術が終わるのをおとなしく待つだけですが、とにかく手際が良かったです。
担当してくださった先生は30代前半くらいの方でしたが、僕が予約した3時ごろまでにはすでに7人の抜歯を行ったと言っていましたから、相当慣れていらっしゃるようで安心しました。
手術は30分程度で終わり、抜歯した部位に布をかまされ、渡された氷で顎を冷やしながら徒歩で帰宅しました。
帰るまでの間は麻酔はまだ残っているので、痛みを感じることはありませんでした。
麻酔は術後数時間で切れてしまいます。
麻酔が切れたあとは相当痛いだろうと思い、氷を変えながら冷やし続け、就寝の際も続けました。
結果手術当日は、骨を削って抜歯したとは思えないくらい、軽い痛みですみました。
抜歯後数日は、抜歯した反対側の顎で噛む必要があるため、食事をとるのが大変でした。
歯磨きはできなかったので軽いうがいで済ませました。
うがいは激しくやりすぎると、傷口を塞いでいる血糊が剥がれて、ドライソケットという合併症を発症して激痛が襲うと聞かされていたので、特に気をつけました。
こういった傷口への最大限の注意は大体術後一週間ほど続きます。
痛みは術後翌日からそれほど強くなかったので、渡されていたロキソニンも使わずに済みました。
最初に抜歯した方が落ち着いてきて、かろうじてものを噛めるようになったところで、反対側の抜歯をしました。
抜歯までの流れは一回目とほとんど同じですが、二回目の抜歯では、麻酔が切れた後、患部を氷で冷やすのをやめてみました。
するとしばらくして、患部が熱くなり、激しく痛み始めました。
痛みはかなりひどく、全く眠れませんでした。
痛みのレベルとしては、大人でも長時間は耐えられないくらいの痛みです。
急いでロキソニンを飲み、氷で冷やしたところ、無事痛みは和らぎ、なんとか眠ることができました。
翌日には激痛は収まっていました。
やはり、当日だけは氷で冷やし続けることが大切なんだとわかりました。
この頃には、一回目に抜歯した方の患部の痛みはかなりマシになっていました。
食事の際も、一回目に抜歯した方の奥歯でかろうじて噛むことができるようになっていました。
ただ、まだ穴が完全に塞がっていなかったため、食べ物のカスがつまるのがとても不快でした。
そこでアマゾンで「ぞうさん(Vanco)」という商品名の注射器のようなものを買い、その水圧で食べかすを綺麗にしていました。
幸い血糊が剥がれてドライソケットになるようなことはありませんでした。
この頃には全く痛みはなくなっていました。
食後の患部の掃除は続けていました。
この頃には患部の穴もだいぶ塞がっていました。
この頃にはほとんど全快でした。
手術の合併症の有無
手術に伴う合併症は、みなさんが一番心配していることだと思います。
幸い、顎の感覚がおかしくなったり、味覚がおかしくなったということは一切ありませんでした。
僕が行った病院での抜歯では、実際に術後痺れが残る確率はかなり低く、万が一痺れが残ったりしても若い人は時間とともに治ることがほとんどだと、担当の先生はおっしゃっていました。
また、患部の血糊が取れてドライソケットになることもありませんでした。
担当の先生によれば、年齢が上がるにつれ、骨が硬くなり、抜くときに顎に大きな力がかかりやすくなるため、神経を痛めることによる合併症の発生率は上がるそうです。
また同様に、年齢が上がるにつれ、出血量も減るため、ドライソケットになる確率も上がるそうです。
症状の経過
この記事の初めの方で、親知らずが原因と思われる、僕の体の二つの症状について紹介しました。
まず、①ストレスを感じた時の歯茎のムズムズ感 についてですが、この症状は明らかに良くなりました。
ただ、完全になくなったわけではありません。
食後歯磨きをせずにいると、今でも少しムズムズすることはあります。
②下顎の歯並び については、現在特に変わりはありません。
抜歯をする人へのアドバイス
これから埋伏智歯など、比較的大掛かりな抜歯をする人に対するアドバイスはたった一つ、
です。
大丈夫、本当に痛いのは当日だけです。
逆に言えば、当日さえ患部を冷やして麻痺させてしまえば、翌日からは大したことはありません。
これから抜歯をする方は頑張ってください。
親知らずは、できる限り若いうちに抜いた方が良い。
抜歯難度の高い埋伏智歯の抜歯は、病院で部分麻酔をして、二回に分けて行った。
手術による合併症などは無かった。
抜歯当日はとにかくよく冷やすと痛くない。
食べかす掃除には「ぞうさん(Vanco)」がおすすめ。
抜歯により、ストレスを感じた時の歯のムズムズ感は明らかに改善した。